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解放 2nd⑧

俺を抱きしめたまま継は動かない。 諦めてくれた? 「継?」 甘かった…欲望の塊となっていた継は、俺を組み敷くと唇に吸い付いてきた。 「んむっ!」 舌先を無理矢理捻じ込まれ、上顎や頬の内側を官能を誘うように嬲られると、快楽に正直な身体は、次第に反応し始めた。 「やぁ…っ…もう、やだ…やぁっ…」 心は拒否するのに、快楽を求める浅ましい身体。 今は嫌なのに…どうして… ポロリと涙が頬を伝った。 その冷たい感触に継が気付いたようだった。 嗚咽を噛み締めて泣く俺に、継はそっと拘束を解いた。 「…詩音…ごめん……泣くな。」 指先で涙を拭われた。 「ごめん…お前のことしか考えられない… 愛してるんだ。それは忘れないで…」 荒ぶる楔を押し付けながら、切なげな声で訴える継。 俺はその火傷しそうに熱い塊を感じていた。 継の望みに応えられない自分と、このまま抱かれたい本能とがせめぎ合っていた。 この後いつものように朝食とお弁当の準備をして仕事をして…そんなことを考えていたら、朝からなんて体力がもたない。 でも…俺のことを思ってはち切れんばかりの欲を我慢している継を見ていると、愛おしくなってこの身を差し出したくなる。 一度で終わるだろうか。 αは一度の射精だけでは終わらない。 加減してくれるんだろうか。 ぶわりと俺を包む継のフェロモンが、雄弁に気持ちを語っている。 「継…」 きゅ と胸元に縋り付く俺に、継がびくりと反応した。 「詩音、かわいいことしないで。 我慢できなくなるから。」 辛そうに言う継に、胸がきゅんとなった。

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