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結婚式前夜①

宣言通り、継を甘やかし俺も甘え、その夜もやっぱり潰された。 愛され続けた身体には、赤い花が散らばっている。 俺の負担を考えながら加減して、毎夜、継は俺を抱いていた。 継の切ない顔と匂いにやられてしまって、俺も完全に拒むことができずに、抱かれていた。 重ねる熱い肌の心地良さと、軋むベッドのスプリングの音。 散々啼かされて、中にたっぷりと注ぎ込まれて、愛され過ぎてぐったりと、朝まで泥のように眠ることもある。 もう、この温もりと この匂いがなければ眠ることができなくなっている。 依存しているのは、継ではなく俺の方だ。 結婚式も間近だというのに、節制することもなく愛し合う。 ふと、考える…これでいいのかな… 籍を入れてるから、正真正銘の夫婦なんだけど、あまりに『し過ぎ』ではないのか? 『毎日』なんて、これは普通なんだろうか? 普通、週に何回くらいするんだろう? 困った時のネット検索! …うーん…いろいろある… え?これは週に二、三回…こっちは…週一回? …もう、レスになってる人も多いんだ… “毎日”って…え…いない? でも、でも、こういう愛し合う行為って、人それぞれだし、俺達は、これでもいいのかな? だって、子供ができたら毎日って訳にはいかないし、子育ての最中は、そんなこと構ってられないって聞くし。 ソファーでコーヒーを飲みながら、悶々と考えていると、継に頬をつつかれた。 「さっきから何 百面相してるんだ? 気になることでもあるのか?」 「…実は…」 俺が、真っ赤になりながら、しどろもどろネット検索のことを伝えると、お腹を抱えて大笑いされた。

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