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ついに…結婚式!④
お義母さんは俺をそっとハグすると
「詩音君…とっても綺麗…本当におめでとう。
継と仲良く、幸せになってね…」
「お義母さん…はいっ、必ず…」
うるっと涙が出そうになったところへ
「おーい!うちのお嫁ちゃんはどこだー?」
今度はお義父さん…そして
「継!詩音くーん!おめでとー!」
お義兄さんと右京さんが現れた。
「うわぁー!素敵!綺麗!似合ってる!
詩音君、おめでとう!」
お義母さんと右京さん、そして俺の三人でキャーキャー盛り上がっていると、ぶんむくれの継が、後ろから俺を抱き込んで
「詩音は俺のモノだから、返して!」
と威嚇する。
がるるるっ と唸り声さえ聞こえてきそうな継を宥めて、やっと落ち着いたところへ、ノックの音が。
「はい、どうぞ。」
「継君、詩音…あら、皆さんお揃いでしたか!
本日は誠におめでとうございます。」
どやどやと雪崩れ込んできたのは、両親と姉夫婦、それに兄一家!
何故か涙目の甥っ子、夏樹が継に近付くと
「おいっ!詩音を泣かせたら許さないからな!」
と叫んだ。
俺を含めて一同ポカーンとする中、義弘さんがおずおずと
「ごめんなさい。この子、小さい時から詩音君のことが大好きで、継君に取られちゃったもんだから…」
と申し訳なさそうに教えてくれた。
継は、夏樹の正面に立ち、その目線まで腰を落とすと
「詩音は俺が幸せにする。絶対にな!
心配するな。任せろ。」
「…うっ…うえっ、うえーーん!」
「兄ちゃん、泣くなよ…みっともないよ…」
大泣きする夏樹に、弟の若葉が宥めてやってる。
「…夏樹…」
俺は継の隣に立ち、夏樹の頭を撫でてやった。
「俺は継と一緒なら、絶対幸せになるから。
心配いらないよ、ありがとうな。」
ぐしぐしと泣いていた夏樹は、やっと泣き止んで頷くと、義弘さんの元へ行ってしまった。
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