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ついに…結婚式!⑤

夏樹の大泣きにみんなが大笑いしていると「参列の皆さん、そろそろお時間です! 」と道上さんが呼びに来た。 「じゃあ、後で!」「継、ずっこけるなよ!」等と、わらわらと賑やかな集団が大移動を済ませると 「申し訳ありません! ご連絡をする間もなく、皆さん控室へ行ってしまわれて…」 と深々と頭を下げられ謝罪された。 俺はみんなに会えてうれしかったんだけれど、継は少しご機嫌斜めで。 顔をぴくぴくと引攣らせながら、継が言った。 「いいんですよ。みんなに会えたから。 じゃあ、俺達の時間になったら呼んで下さい。」 やっと二人っきりになって、俺を抱き寄せた。 「詩音…詩音は俺のものだからな。 あんなチビ助に渡すもんか。」 え?チビ助?…ひょっとして、夏樹にヤキモチ焼いてる? 「ふふっ。俺は継だけ…継のものですよ。 今更何言ってるんですか? それとも…『あんなチビ助』に負けるおつもりですか?」 「はあっ!?何言ってんだ! 負けるはずなんかないだろっ! でも、アイツはαだろ? きっと、本気で詩音のことが好きだったんだろう… 詩音を愛して愛でていいのは、俺だけだっ!」 え?夏樹が俺を?そんなこと、考えたこともなかった… 駄々っ子になった継を宥めて持ち上げて 「好きです、大好きです! 継だけ…継がいたらいいです。愛してます!」 と言い続けて、やっとご機嫌が直った。 何だか…面倒なオヤジみたいだよ、継。 手を握り合って、指を絡めて、時々キスして、時間は過ぎていった。 コンコン 「どうぞ」 「お時間です。ご案内致します。」 ついに…ついにきてしまった。 …また緊張してきた。 そんな俺に、継が(大丈夫)とお守り代わりのキスをくれた。 少し落ち着いた俺は、差し出された手を握って、継と控室を後にした。

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