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ついに…結婚式!⑩
大賑わいの中、俺はただ一つのことが気になって仕方がなかった。
遅れてるヒート、吐くほどの気持ち悪さ…まさか…悪阻?妊娠?
もしそうならうれしいけれど…仕事は?
子育ては?
頭をぐるぐる回り始めた。
…そんな気持ちを隠して笑っていた。
和やかな雰囲気の中、食事会もお開きとなった。
みんなとハグや握手をして、もちろん夏樹とも。
「詩音、コイツいい奴だよ!…幸せになれよ!
俺、俺だけの番を絶対に見つけるから!」
「うん、ありがとう。俺には継しかいないから。
夏樹には夏樹の番がいるから。
いい男になって、ちゃんと守ってあげて。」
「…わかった!じゃあね!」
俺と夏樹のハグを見て俺の隣で継が複雑な顔をしていたが…俺が夏樹に言う言葉を聞いて、顔が崩れていた…
別れを惜しむ全員を見送り、お世話になった式場のスタッフさんにお礼を言って車に乗り込むと、また二人っきりになった。
「継、ありがとうございました。
あんなに皆さんに祝福してもらって、本当にうれしかったです。」
「ああ。本当に。
でも、あのクソチビ。
今度詩音にちょっかい出したら締めてやる。」
「…もう大丈夫ですって。
継が心配するようなことは何もありませんから!」
「そうだな。
ところで詩音、何か心配ごとでもあるのか?
いつもと違う匂いがするんだが。」
ドキッとした。
俺の番はどうしてこんなに鋭いんだろう。
即答できず無言の俺に、継はそれ以上何も聞かず、車内は気不味い雰囲気になってしまった。
どうしよう。
継に伝えて、ぬか喜びになったら…
でも、言わないと今夜は絶対に意識がなくなっても抱かれる…
もし妊娠してたら、そんな激しい行為にはお腹の子供が耐えられないはず。
どうしよう。
どうしたらいいんだろう。
悩んでいるうちに家に着いてしまった。
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