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うれしい知らせ②

継は俺の両肩にそっと手を置くと 「詩音…すぐに診てもらおう! 違ったら、思いっきり今夜は啼かすし… そうだったら、抱きしめ合って眠ろう。 あぁ、詩音…」 継は壊れ物を扱うように、俺をそっと抱き寄せて包み込んだ。 継の甘い匂いをたっぷりと嗅いで、このまま過ごしたかったけれど、ワクワク感満載の継を待たせるわけにもいかず、手を繋いでまた車中の人となった。 「なーんだよ、継! お前、俺のこと何だと思ってんの!?」 「お小言は後で幾らでも聞きます! だから、先に詩音を診て下さいっ!」 「詩音君?どうしたの? ……先に検尿してきて!おーい、井本君、教えてあげてね。」 俺が何も言わないうちに何かを察したらしい香川先生は、看護師の井本さんに俺を案内させた。 間もなく診察室に呼ばれたは(俺だけ呼ばれたのに、継が付いて行くと行って聞かなかった)、うれしそうな香川先生の匂いと顔を見て、俺は確信した。 「おい、何で継まで入ってくるんだよ。 邪魔だから出て行って!」 「先生、いいじゃん! 俺は詩音のことが心配なんだよ!」 「全く…そこから動くなよ!口出しも禁止! 詩音君、そっちに行ってね。」 カーテンで仕切られた部屋に入るように言われた。 井本さんの指示通りに動く。 「ズボンも下着も全部脱いでから、気を付けてその椅子に上がってね。 バスタオル掛けるし恥ずかしくないから。 足をそこに掛けて…そうそう。 消毒をするから少し ひやっとするかも…ごめんなさいね… 今から内診してもらうの。 子宮の様子を直に診てもらいます。 出産までは検診の度に内診があるからね。 すぐに先生来るから、そのまま待ってて下さいね。」 …それは俺にとって超絶恥ずかしいものだった… 継が見たら、先生を殴りかねない… 内診って毎回、これ?

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