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うれしい知らせ④

俺は写真を見ながら感無量で 「これが…これが俺達の…」 継も俺の肩を抱きながら 「…うん。詩音に似たら美人だし、俺に似たらイケメンだ。 先生、何に気を付けたらいいの? 俺は何をすれば?」 「取り敢えず、日常生活は今まで通りでいいよ。 ただ、やってはいけないことは… 走ったり自転車に乗ったり、手を伸ばして高い所の物を取ろうとしたり。 あ、階段も気を付けてね。 何せ、転んだり、つまずいたり、はダメ。 お腹を圧迫したり、打つけたり、冷やしたりもダメ。 ゆったりとした気分で慌てないこと。 継は…何もするな。手を出すな。 安定期に入るまでは我慢しろ。」 「えーーーっ!!! 先生、あんまりだよー! 『何もするな』『手を出すな』なんてぇ…」 「あー、もう、継、面倒くさい。 次の検診からは付いてこないで。」 ぶーぶー文句を言う継と、適当にあしらってる感の香川先生との舌戦が繰り広げられている。 そんな二人のイチャつきにも似た会話が耳を流れている。 二人を無視して、俺は先生に言われたことを思い返していた。 走ること 手を伸ばして上の物を取ろうとすること 階段 転んだりつまずいたり お腹を圧迫したり打つけたり冷やしたり は全てダメ。日常生活は大丈夫。 そうだ!仕事は?いつまで? …柚月さんは八カ月までいたよな… 「香川先生っ!」 俺の声に二人が振り返った。 「あの…仕事はいつまで大丈夫なんですか?」 先生は笑いながら 「早速仕事の心配か? 詩音君は誰かさんと違って真面目だからな。 体調が良ければ大体八カ月に入るまでだね。 でも、悪阻が酷い時には無理しちゃいけないよ。 全くない人もいるし、入院する人もいる。 人それぞれ違うから。 ね!?」 それから…しつこく念押しされた……

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