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うれしい知らせ2 ③

実家の両親と義弘さんは、突然訪ねてきた俺達を大歓迎してくれた。 二人で昨日のお礼を言った後、継が 「早速ですが、ご報告があります。」 なんて畏まって言うもんだから、みんなが身構えた。 「詩音のお腹には俺達の子供がいます。 昨日、式の後にわかりました! 何かとご迷惑をおかけすると思いますが、ご協力よろしくお願い致します!」 一瞬の静寂の後… うわぁーーーっ! きゃあーーーっ! やったぁーっ! 父は継とがっちりと握手をして 母は俺を見て、何度も頷いて涙ぐみ 義弘さんは俺を優しくハグした 『おめでとう!』『走ったり転んだりしたらダメ』『予定日は?』『どこで産むの?』 等々と質問責めにあい、オロオロする俺に代わって継が全て答えてくれた。 それからはもう“お祝いだ”と、俺達の話も聞かずに、寿司や舟盛りの刺身なんかが届けられ、車で来てることを詰られて(祝いの酒が飲めないと、父が拗ねた)大変な騒ぎとなった。 部活から帰って来た夏樹と若葉、そして早々に帰宅した兄も巻き込み、大宴会となった。 「詩音、ママになるのか…おめでとう! おい、継!お前、しっかりしろよな!」 「何で詩音だけに『おめでとう』なんだよ! 俺にも、ちゃんと言えよ! お前に言われなくっても、詩音のことは俺がちゃんとするから、口出しするなよ!」 「あー、また始まった…兄ちゃん、いい加減にしろよ。」 「夏樹っ!偉そうな言い方、何ですかっ! 継君に謝りなさいっ!」 「いやいや、義弘さん!コイツは同士…というか、戦友というか…タメになったからいいんです!」 「詩音!兄ちゃんなんか、放っておけばいいからね!」 …話が違う方向にいってる…

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