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うれしい知らせ2④
ワイワイガヤガヤと怒涛の夕食が終わった。
「かえってご迷惑を掛けてしまって、申し訳ありませんでした。」
「遠慮いらないから、またいらっしゃい。
待ってるから。」
「義弘さん、お騒がせして申し訳ありませんでした。」
義弘さんは、こっそりとウインクしながら言った。
「いいんだよ!お陰で今日は夕食の支度、サボれて美味しいもの食べれたしね!
詩音君、いつでもいいから帰っておいで、
俺がいうのも変だけど、ここは君の家なんだから。」
「詩音、また来いよ!
…コイツは置いて来ていいからな。」
「こらっ、夏樹っ!アンタはもう…失礼なこと言わないのっ!
ごめんね、継君。後でちゃんと叱っておくから。」
継は笑いながら「大丈夫ですから」と言い、夏樹とハイタッチをしていた。
この二人、仲が悪いのか、いいのか、よくわからない…
盛大に見送りをする家族達に別れを告げ、自宅へと戻る。
「どっちも大喜びだったな。
詩音、疲れただろう?大丈夫か?
帰ったらゆっくりと休むといい。」
俺はお腹を撫でながら
「ええ、喜んでもらえて、本当に良かった…
ね、チビちゃん。
…でも、少し疲れました…」
「着いたら起こしてやるから、少し寝てろ。」
「継だってお疲れでしょうに…大丈夫です!」
「いいから!遠慮はなしだぞ。
…詩音、無理するな。甘えろ。」
「…はい、じゃあ、着いたら起こして下さいね。」
「わかった。」
心穏やかでお腹も満たされ、車の振動が心地良くて、俺はすぐに眠ってしまったようだった。
目が覚めた時にはベッドの上で、慌てて飛び起きて継を探すと、丁度お風呂から上がったところだった。
「詩音、目が覚めちゃったのか?
もう少ししたら起こそうと思ってたとこだったんだ。
気分が良ければ、入っておいで。」
はい、と返事をしてバスルームへゆっくりと歩いて行った。
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