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準備品③
最終的に…全部…そう全部…お義母さんに買ってもらっていた。
ベッドの後は…ベビーバス、チャイルドシート、ベビーカー、ニギニギに木のおもちゃ…………
大きな物から、細々とした小物まで全て…
俺達のマタニティウェアまで!
それも、使い勝手が良く質の良い物ばかり。
右京さんと俺の分、計…いくら!?
金額に慄く俺達に、お義母さんは
「お嫁ちゃん達『気にしないで』って言ったでしょ!
スポンサーはパパなんだよ。
パパのポケットマネーなんだから、気持ち良く受け取ってもらわないと、麻生田家出入り禁止になっちゃうよ、ふふっ。」
ちょっぴり涙目の俺達の頭をポンポンと撫でながら
「子供は遠慮しちゃダメ。」
と微笑んだ。
右京さんは俺の顔を見て頷き
「では、遠慮なく甘えさせていただきます。
ね?詩音君。
お義母さん、ありがとうございます。
帰ったらお義父さんには改めて潤と一緒にお礼をお伝えしますね。」
「お義母さん、ありがとうございます。
後で継とお礼に伺います。」
お義母さんは満足気に頷くと
「これで大体揃ったかな?
足りないものがあればまた後日に。
ちょっとお茶でも一服しに行こう。
…寺井さん!」
「はいっ!」
「今買ったもの、こちらが届けてって言うまで預かってくれますか?
で、もし、今選んだ物よりこっちの方が…って、商品の交換を希望したら、この子達の相談に乗ってやって下さいますか?」
「ええ、もちろんです。いつでも仰って下さい。」
満面笑顔の外商さん…寺井さんというんだ…は、ホクホク顔。
「じゃあ、よろしくね。
三井さんにもよろしくお伝え下さい。」
「はい、承知致しました。お気を付けて。
またのお越しをお待ちしております。」
意気揚々と先導するお義母さんに付いて、喫茶室に入った。
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