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準備品おまけ④

俺は継に縋り付いて泣いた。 言葉にしたいのに言葉にならない。 「…継、継っ………」 継は泣き続ける俺を“よいしょ”と横抱きにすると、背中をとんとんと叩きながら 「ほら、詩音…お前も泣き過ぎだぞ? 目ん玉なくなっちまう…もう、もう泣くな…」 ぺろりと舌で涙を拭われ、唇にキスを一つ落とされる。 「あんなご両親だから、詩音がこういう風に育つのも当たり前か… さぁ、顔を洗って。 目も冷やさなきゃ。」 継は軽々と俺を洗面所に運び、洗い終えた俺の顔をタオルで拭いて、まだ抱き上げて寝室へ連れて行った。 継が持ってきた冷たいタオルで目を冷やし 「このまま横になるように。」 と半ば命令口調で言われて、言われた通りに従う。 俺の横に滑り込んできた夫は、俺を抱きしめ頭を撫でてきた。 タオルで視界を遮られているから、突然の抱擁にびっくりして身体が跳ねた。 「あっ…驚かせてごめん…」 落ち着かせようと背中を優しく擦られる。 今まで大人しかったチビちゃんが目を覚ましたようだ。 『びっくりしたよー』という匂いがしてくる。 驚かせてごめんね…と思いを込めてお腹を撫でてやると、また静かになった。 クスクス笑うと、継が 「どうしたの?」 と聞いてきた。 「チビちゃんが『びっくりしたよー』って。 でも、また寝ちゃったみたい。 大人しくなったから。」 継は『お腹を撫でるよ』とささやくと、俺のお腹を撫でながら 「チビちゃん、ごめんね。」 と言ってくれた。 「詩音、どう?チビちゃん、怒ってる?」 「…ううん。寝ちゃったみたい。 大人しくなったから。」 「そう…驚かせてごめんね…」 …キスするよ…と耳元でささやかれ、啄ばむようなキスをされた。

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