505 / 829
不満 side:継⑧
詩音自身は、俺が抜き出すと同時にイったらしく「シーツを汚した」と、おたおたしている。
まだまだ収まりの付かない愚息を見て、ため息をついていると、するりと細い指が愚息に絡み付いてきた。
詩音!?
無言でゆるゆると俺を扱くその様は、扇情的で神々しくて、熱情を誘う。
知らず知らず動く腰は、詩音を求めて止まない。
ぬちゅぬちゅぬちゅ
先程吐いたものの残骸が絡み付き、粘着質のいやらしい音を立てている。
自分のものとはいえ、ちょっとだけ恥ずかしい。
詩音が恥ずかしがるのも無理はないな。
頬を赤く染めて、詩音が両手で扱いてくれている。愛おしそうに見つめながら。
俺は詩音の頭を撫でてやった。
俺を見上げて、くふん と笑う詩音が愛おしくて
「詩音、愛してるよ。」
と呟くと、その小さな声が聞こえたのか
「…継、俺もです。」
と返してきた。
その途端に、俺の愚息は跳ね上がり、白濁の液が辺りに飛び散った。
「あっ!」
…詩音の顔や髪の毛、胸元に、物の見事についてしまった。
「うわっ!しっ、詩音!ごめんっ!」
慌ててティッシュで拭き取っていく。
しまった…髪の毛なんて取れやしない。
後で風呂に入れてやらなければ。
詩音は暫く固まっていたが、そのうち、くすくすと笑い出し、あははっと大笑いし始めた。
「…詩音?」
「あはっ…はあっ……継ったら…ふふふっ…
元気…」
「『元気』って…何だよ、それ…」
不貞腐れる俺に、詩音はゆっくりと膝立ちになり、キスしてきた。
「詩音…」
「ふふっ…継…そんなに俺のこと、思ってくれてたんですね。」
詩音は再びぺたんと座り込んだ。
書籍の購入
ともだちにシェアしよう!