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満喫②
「ただいまー!しおーーん!」
「お帰りなさい。お疲れ様でした。」
「チビちゃんもただいま!」
俺のお腹を撫でて挨拶した継は、手洗いとうがいをしながら聞いてきた。
「詩音、何だかご機嫌だな。いいことあった?」
そんなに態度に出てたかな…
「うん!あのね、今日右京さんから電話があって…」
「うん。」
「誘ってもらって、来週の火曜日に、マタニティヨガに行くことになったんです。」
「マタニティヨガ?」
「はい!俺も詳しくは分からないけど、リラックスできて、呼吸法がお産の時に役に立つって。
病院の中で一時間くらいだし、お義母さん、買い物あるから送ってくれるそうです!」
「そうか。楽しみだな。
でも、無理したらダメだぞ。」
「はいっ!」
よかったぁ…継、反対しなかった。
でも、転んだりしないようにちゃんと気を付けるからね。
夕食を済ませ、継がお風呂に入っている間に片付けを済ませる。
すっかり主夫業が板に付いた俺は、家事の段取りも上手くなったと自画自賛している。
何?何かあった?
風呂上がりの継が、やたらと俺に纏わり付く。
視界の端にチラチラと逞しい胸筋がチラついて…困る。
俺の好きな香りのフレグランスと継の匂いがミックスされて、頭がクラクラする。
ほわほわと、継から俺を誘う匂いがしている。
継が何か言いたそうなんだけど。
…そう言えば。
妊娠して初めて抱かれてから…タイミングが合わなくて少し間が空いてる。
「…詩音…」
低い声に、背中をびりりと甘い痺れが走った。
「…はい?」
「…抱いてもいいか?」
「…その言い方、ズルイです。俺に選ばせるなんて…『嫌』って言えば、諦めますか?」
少し意地悪く言った。
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