523 / 829
満喫⑩
すっかりヨガの虜になった俺達は、楽しかった時間を振り返り、話に花を咲かせながら、お義母さんに連絡して正面玄関まで迎えに来てもらった。
「「お義母さん、ありがとうございます!」」
二人仲良くお礼を言うと
「気分転換できたみたいだね。
良かった、良かった。
ところでお腹空かない?
いいランチのお店見つけたんだ。
俺、ペコペコだから付き合ってよ。」
ありがたい申し出に遠慮なく乗っかって、ランチをご馳走になって家まで送ってもらった。
また遊びに行きます!と約束して、継のいないガランとした部屋のソファーに座った。
お腹を撫でながら
「ねぇ、チビちゃん、楽しかったねー。
俺、今日から呼吸法試してみるよ。」
ぽこっぽこぽこ
うん、リラックス、リラックス。
少し休んでから晩御飯の支度をしよう!
「…ん、詩音、おい、風邪引くぞ!詩音!」
はっと目覚めた。
「継!?ごめんなさいっ!今何時?」
「7時だよ。ぐっすり寝てたから、起こさなかったんだ。残り物で勘弁してくれ。」
「えっ!?ああっ!ごめんなさいっ!
すぐに支度しますっ!」
「大丈夫だ。できてるから。楽しかったか?」
「はい!とっても!…でもごめんなさいっ!」
「いつも一生懸命頑張ってくれてるんだから、偶には良いじゃないか。
さ、食べるよ。」
申し訳なく思いながら、問われるまま今日の出来事を話すと、継も『後で一緒にやろう』と言ってくれた。
そして…今日一日を満喫した俺は、夜、昨夜に続いて俺を軽く“満喫”した継に美味しくいただかれてしまったのだった。
書籍の購入
ともだちにシェアしよう!