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愛情過多①

穏やかに日が過ぎて、産休に入った。 会社に行きたがらない継を宥めすかして会社に送り出す日が続いている。 重くなったお腹を摩りながら 「ねぇチビちゃん。パパ、お子ちゃまだねぇ。 …パパが働いてくれないと、俺達ご飯食べれないよねぇ…困っちゃったねぇ、どうしよう… 俺、また頑張って仕事に行こうかな…」 なんて言ってると、渋々出社して行く。 後ろを振り返り振り返り。 ないはずのケモ耳と尻尾が見事に垂れたまま。 ベランダに出て、継の車が去っていくのを見送る。 あー良かった、今日も無事に出勤した。 今からこんなんじゃ、産まれたらどうするんだろう。 会社行かなくなっちゃうよ。 篠山さん、大変だろうな… せめてものお詫びに、今度何か美味しいものでも送って、奥様と一緒に楽しんでもらおうかな。 うんうん。と一人で納得して後片付けを始めた。 今日も…曇りか… どんよりと曇りの日が多くなってきた。 頬に当たる風も冷たい。 とは言え、去年に比べたら今年はまだ暖かい。 暖冬だとニュースでも言っていたけど。 あ…継のコート、もう一着出しとかないと。 でも基本、何でも自分でしちゃうから、俺の出番はないんだけどね。 そうだ! 今日は、この間買ってきたツリーの飾り付けをしよう! ステキなオーナメントも沢山買ってもらったし。 ぽこぽこ うん、チビちゃんも楽しみだよね。 パパが選んだんだよ。 クリスマスプレゼント! 何にしよう。 誕生日だって継に何もプレゼントできなかった。 何か毎日使ってもらえる物がいいんだけど…継が持ってる物は、ブランドの物もノーブランドの物もあるけど、シンプルで上品で、スタイリッシュで。 好みがあるしね… チビちゃんと会話をしながら、思案していた。

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