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愛情過多②

ゆっくりと洗濯物を干したり部屋の掃除をしていると、あっという間に午前中が過ぎてしまう。 あ、もうお昼。 継はちゃんと一人で食べてるかな。 と、ラ◯ンの着信音!…継だ。 「はい、詩音です。」 『しおーーーん!会いたいよぉ〜! もう、限界だよぉ〜!』 「継?午前のお仕事終わったばかりですよ。 あと半日頑張ったらお家に帰れますからね。 お仕事頑張って下さいね!」 『…しおーーん…』 「お弁当食べてもうひと頑張りして下さい! …継、しっかりして下さいね。」 『…っ…わかった…愛してるよ、詩音……』 ちゅ リップ音を最後に、名残惜し気に通話が切れた。 はぁ……ため息をついて携帯をテーブルに置いた。 これが毎日。 俺が産休に入って、一緒に出勤しなくなってから毎日続いている。 朝、出社を渋る継を何とか宥めすかして送り出したと思ったら、お昼にはこうやって“会いたい”コールが掛かってくる。 退社時にも…“今から帰るから!待っててね♡”と帰るコールが… イケメンスパダリの絶対的αの崩れっぷりに、ちょっと引いている。 あんなに甘えたさんだったんだ。 家でも『べったり』という言葉がぴったりな感じでくっ付いてくる。 正直…ウザい時がある。 伊織さんが香川先生を冷たくあしらう気持ちも凄くよくわかるようになってきた。 どうやって更生したのか、今のうちに聞かなくちゃ。 このままだと、チビちゃんが生まれたらもっと大変なことになる… 伊織さんはきっとお仕事中だと思うし、メッセージを送っておく。 『ご無沙汰してます。 お忙しいところ申し訳ありません。 急ぎの用件ではありませんのでご心配なく。 産休に入り、継の甘えたさんが激しくなって困っています。 何か対処法がありましたらご教授お願い致します。 寒くなってまいりました。 お身体ご自愛下さいませ。』

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