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愛情過多④

あぁ…目に浮かんだ…お気の毒な伊織さん… 「…そうなんですか…諦めるしかないんですね…」 『だからね、ルールを決めるの。 電話は一日何回まで。 メールもラ◯ンも一日何回までって。 ストレスが溜まっていいお産ができない、赤ちゃんにも悪い影響がある、って脅してやればいいんだ。 でもね “とても心配してくれるのは十分過ぎるほど分かってる。 でも、そんなに心配されたらそれがマイナスのオーラに変わるから、胎教にも育児にも良くないから、程々にしてね” って感じのフォローは必要だよ。 “あなたの想いは分かってるから、ありがとう” ってことはちゃんと言わなきゃ。 でないと、心配する気持ちを分かってくれてない!って逆ギレするからね。』 「…心配してくれてる、ってのは分かってるんですけど…過剰過ぎて…」 『うんうん。そうなんだよ。 だからこそ、ちゃんと言葉にして伝えなきゃ。 ね!? あのね、あっちも無意識なんだよ。』 「え?無意識?」 『そう。番が好き過ぎて好き過ぎて。 その想いが強過ぎて、離れたくなくって駄々捏ねたり、何度も連絡してきたり。 いつもは完璧な絶対的αがメロメロになって、番を無意識に求めてるんだ。 心から愛されてる証拠だよ、詩音君。』 かあっ と全身が熱くなった。 電話の向こうの伊織さんの柔らかな微笑みを感じていた。 完璧な絶対的αに無意識に求められる… 継…ごめんなさい。 溢れるような、いや、溢れ出して止まらない継の愛情表現を否定してごめんなさい。 こんな俺のことを心から愛してくれてるんだ。 うれしくて恥ずかしくて… 継のことを“煩わしい”とか“ウザい”とか思ってた自分が情けなく、恥ずかしくなった。

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