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こんにちは赤ちゃんside:潤④
お袋は気を利かせたのか、いつの間にかいなくなり、俺と右京の二人だけになっていた。
「右京、落ち着いたか?」
「…泣いちゃってごめんね、潤。
分かってるんだ、分かってるんだよ、でも…」
「いいよ。お前を丸ごと受け止めるから。
辛かったり悲しかったら遠慮せず泣け。
でも、一人はダメだ。
いいな?」
「…はい。」
体重を預けて甘えてくる右京がかわいい。
「俺達だけのアルバムを作ろうな。
…愛してるよ、右京…」
「…潤…俺も、愛してる…」
ちゅっ
軽めのバードキスが、段々と濃厚なものに変わっていく。
「…んっ…じゅ…ん、んっ…んむっ」
あまり激しくせずに、それでもたっぷりと甘やかしていく。
じゅるじゅると唾液を舐め合い、お互いの息が上がっていく。
上昇する体温。
絡み合う甘い匂い。
今いる場所がリビングだというのも忘れて、キスに溺れていた。
「あっ!!!」
突然、右京が叫び、俺から離れた。
お腹を押さえ、ふるふる震えている。
「右京?どうしたっ??」
「…どうしよう…破水したかも…」
「えっ!?大変だっ、お袋っ、お袋ぉーっ!!」
「…はいはい、どうしたの?
右京君っ!?破水!?
潤っ!香川先生にすぐ電話!
右京君、大丈夫だからねっ!
俺に任せてっ!!!」
俺はすぐに香川先生に直電し、病院に来るように指示された。
お袋はバスタオルを持ってきて、腰回りに当ててくれた。
「俺が運転するから、潤は右京君を抱っこして連れて来て後ろに乗って!」
そして右京が準備していた鞄を引っ掴むと、玄関へ走って行った。
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