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祝福②
片付けを終え、継がお風呂に入っている間、ソファーでぼんやりと座っていた。
右京さん、頑張ったんだね…
良かった、本当に良かった。
右京さんも赤ちゃんも元気で。
どんな感じなんだろ、赤ちゃんとのご対面って。
お義母さんの喜びようってなかった。
俺の所までキンキンに聞こえてくる音量ってどうなんだろう。
ふふっ。
きっと病院でも、ぴょんぴょん飛び回らんばかりにうれしさを爆発させていたんだろうな。
お義母さんらしい。
きっとお義父さんも同じように大喜びだったんだろう。
二人のはしゃぎっぷりが目に浮かぶようだった。
チビちゃん、君の従兄弟は少し早くお誕生日を迎えたよ。
めっちゃイケメン君なんだって!
お義兄さんと右京さんの子供なら、絶対にイケメン間違いないよ。
チビちゃんと仲良くなれたらいいな。
ちょっぴりお兄ちゃんと。
ぽこっ
ふふっ。そうだね、お友達になれたらいいね。
俺と右京さんが仲良しだから、きっと仲良くなれるよ。
ふわりふわり
チビちゃんからうれしい匂いがしてきた。
ご機嫌さんなんだね。うん、楽しみだよね。
「詩音、詩音も入っておいで。」
「はい。じゃあ行ってきます。」
最近、継は無理矢理一緒に入ろうとしなくなった。
理由は…
俺の裸を見ているとムラムラするからって。
万が一転ぶと危ないからって、気にはしてくれているけれど、『自分の欲が勝ちそうだから、詩音が不安な時には呼んでくれ』って、自粛してる。
こんな身体になっても求めてくれてるなんて、何だかうれしいような、悲しいような…複雑な気持ちだ。
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