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祝福⑤

「詩音…」 そっと頭を撫でながら、俺自身に舌を這わす詩音を見つめていた。 口を大きく開けて咥えこもうとしている詩音が いじらしくて… 「無理しなくてもいいぞ。 お前が触って舐めてくれるだけで、物凄くいい…めっちゃ気持ちイイ。」 返事の代わりに、舌先で鈴口を(つつ)かれた。 「うっ」 危うくイきそうになった。 「…詩音…」 咎めるように名を呼ぶと、くふん と笑って返された。 そのまま、何度も根元から扱きあげられ、カリ首を舐めあげられ、射精へと導かれる。 頬を染め、時々上目遣いで俺を見ながら、一生懸命に俺をイかせようと奮闘する詩音… キモチイイ? ココ、イイ? ケイ、ダイスキ ケイ、アイシテル 詩音からは絶え間なく、優しくて甘い匂いが放たれている。 俺は詩音の頭に手をやり、詩音が呼び起こす快感に身を委ねていた。 びくびくと隆起する血管。 先端に溜まっていく熱。 詩音の口の中も熱い。 直接の刺激だけでなく、視覚から嗅覚から煽られて、快楽の波に飲み込まれていく。 αの俺がΩの詩音に抱かれている… 「…くっ…詩音…出すぞっ」 一瞬ぶるりと身体が震え、ごぶごぶと音が出るくらいに詩音の口に吐き出してしまった。 健気にも詩音は、一生懸命に全て飲み干そうとしている。 あまりの量に飲み切れずに口の端から流れる白濁の液は、淫猥な跡を残して詩音の胸元に消えていった。 ついに詩音は俺自身から口を外し、けほけほとむせ返ってしまった。 詩音に見惚れていた俺は、ハッと気付いて 「詩音!?詩音、大丈夫か? あぁ…無理させた…すまない…」 まだ むせながら涙目で俺を見た詩音は 「…継…気持ち…良かったですか?」 そう言って、ふにゃ と微笑んだ。

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