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ユルい相談⑧
え…『しつこい』?俺が?
「何だ。自覚なしか…タチ悪いな、潤。
側 から見たら、かーちゃんに纏わり付く幼児みたいだぞ?
おい、継!笑ってる場合じゃないぞ。
お前もそうだ。お前、もっとヒドイ。
詩音君にしつこく纏わり付く、年中盛りのついた犬みたいだぞ。」
腹を抱えて笑ってた継がフリーズした。
「かわいくって愛でたくって纏わり付きたいのは重々分かるけどさ、運命の番なんだから、まずは ある程度匂いで分かるだろ?
本気で嫌なのか、言葉だけで拒否してるのか。
…まぁ、俺だって偉そうなことは言えないけどな。
この年になっても、かーちゃんにくっ付きたくって構いたくて、仕方がないもん。」
あははっ と照れ臭そうに親父は笑った。
「何たって、お前達はまだ若い。
結婚生活が長くなると『若い時は何であんなことで喧嘩したのか』とか『あー、もう、いいや』って妥協することが増えてくるから。
年取ったら、それなりに性欲だって衰えてくるし。
あー、俺は まだまだ現役だけどな。くっくっくっ。」
ちっ、エロ親父め。
「ん?何か言ったか?潤?」
「いっ、いいや、別に。
とにかく、香川先生の所に行ってくるわ。
な?継?」
「うん。そうする。その方がいいな。」
「まぁ、あそこん家 も、破壊級のツンデレの嫁さんだからな。
香川先生も、あの手この手で いろいろやってきたらしいが…いまだに敵わないらしいぞ。」
俺達は顔を見合わせた。
「「やっぱり」」
「だよなぁ、香川先生のヘタレっぷりも破壊級だもんな。」
「確かに…右京が、伊織さんから『ダンナ操縦法』を聞いてると思うと…」
「でもな、デレになった時の落差が半端ないらしいぞ。」
うひょーーーっ!!!!!!
俺と継は思わず仰け反った。
恐るべし、ラスボス。
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