589 / 829
賑やかな家②
やんややんやと迎え入れられ、荷物も運んでもらい、その間にリビングに通される。
少し見ない間に、何だか急に優君はしっかりとお兄ちゃん顔になったみたいだ。
「右京さん、優君、お兄ちゃんみたいなしっかりした顔になりましたね。
少し離れてただけなのに…」
「あははっ。そう見える?
仁君っていう弟君ができたからかな?
毎日ね。大変だけど、いろんな発見があるんだ。
ねぇ、詩音君。何でもいいから、俺やお義母さんを頼ってよ。
俺、甘えちゃって何でもお義母さんにやってもらっててさ。
これじゃあダメだと思ってるんだけど、優と一緒に甘えちゃえ!って。
無理な時はお願いすることにしてるんだ。
あ!潤も協力してくれるんだよ。
でも、潤は昼間いないし、夜はゆっくり休ませてあげたいし。
ね、お義母さん!」
くふん とうれしそうに笑うお義母さんは
「お嫁ちゃんに頼りにされるなんて、姑冥利に尽きるね。
詩音君、我が家は遠慮は無しだよ。
時には感情のぶつけ合いもあるかもしれない。
でも、俺はいつでも本音で関わり合いたいんだ。
取り繕ってもどうせ視覚と嗅覚でバレちゃう。
出産後は特に、身体も精神的にも辛いんだ。
だから、遠慮は無し。
ねぇ、仁君。まーちゃんと仲良くしてねー。」
仁の頬をつんつんとつついて、お義母さんが微笑んだ。
すると…
ふえっ、ふえっ…うわぁーーーん
「あれ?優?突然どうしたの?」
優君が泣き出した。
明らかに不機嫌な匂い。
???
仁のこと…気に入らない?…どうしよう…
「優…ひょっとして…ヤキモチ?
お義母さん!ごめん、優、抱っこしてみて!」
右京さんが苦笑いしながら、優君と仁をお義母さんと取り替えた。
書籍の購入
ともだちにシェアしよう!