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賑やかな家⑥
駄犬三匹がいなくなり、嫁とチビ助達だけになった静かな午後…
優も仁君もお腹一杯で、くぅくぅ寝てる。
寝る子は育つ。うんうん。
温かい麦茶を飲みながら
「お義母さん…あのベタベタ、何とかならないですかぁ?
さっきなんて潤に玄関でキスされちゃって…」
「俺なんて、部屋に連れ込まれて…(ごにょごにょ)」
「あははっ!あれは、もう、どうしようもないなぁ…
番を構いたくて構いたくて堪らないんだもん。
ましてや…禁欲生活が続いてるからね…
くっつきたい、ベタベタしたい、甘えたい甘やかしたい…
もう、欲の塊じゃん!
パパ見てよ…年取ってもアレだよ!
お相手しなけりゃご機嫌悪いし。
俺も何とかしてほしい。」
珍しく詩音君が、むうっ と膨れてる。
さっき、余程嫌なことされたらしい。
産後やっと一か月経ったところだ。
まだお腹の切った跡も痛いはず。
無体なことされたら、そりゃあ怒るよな…
俺も。
一か月検診で一応先生の許可は出たものの、俺の返事も待たず無理矢理ヤろうとした潤の右頬にストレートを打ち込んだ。
お義母さんに言い付けて、香川先生に訴えて、懇々と説教してもらった。
しばらく寝室も別にしてもらって、『1メートル以内に近付くな!』と宣言もした。
これはかなり堪 えたらしく、潤は猛反省をして(何度反省してるやら)しばらくショゲた犬のようになっていたけど。
詩音君が口を開いた。
「お義母さん…継も我慢してるのは分かるんですけど…俺、身体も元通りじゃないし、そんな余裕がなくって…」
「そうだよね。ちょっと二人とも香川先生に〆てもらおうか…ついでにパパもね!」
あぁ…お義父さんまで巻き添えに…
気の毒だ…
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