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賑やかな家⑦
後日…香川先生にこってりと絞られた麻生田家の旦那衆は、暫くは大人しくしていたのだが。
潤は
「手を繋ぐのはいいよな?」
から始まり
「キス…してほしいなぁ…」
のおねだりに変わり
「…右京…お願い…“手を貸して”…」
そして、ついに
「右京…抱きたい!セックスしよう!ヤらせろ!」
と、のし掛かってきた。
手にはしっかりとスキンを持って。
避妊 は香川先生の言いつけを守ってるのか…
俺だって…抱かれたくない訳じゃないんだ。
お腹の傷と…ちょっぴりぷよぷよになった身体を見られたくないから…
捨てられた犬みたいな目をして、俺の許可を待っている潤。
「…潤…『ヤらせろ』って何!?
俺って…Ωだから…お前の性欲処理?」
「ちがーーーうっ!!
俺は、俺はお前を愛してるからっ!
愛してるから、愛し合いたいんだっ!」
駄々捏ねやがって。
子供か。
はあっ…とため息をつきながら、ジト目で睨んでみる。
潤は、主人のゴーサインを待つ犬のように、俺を期待を込めた目でじっと見つめていた。
「…潤…」
「はいっ!」
「…無理です。」
「右京ぉ……」
「俺だってお前のこと愛してる。
それは忘れないで。
抱かれたくない訳じゃない。
それも覚えといて。」
「じゃあ、何で?何でダメなの?」
しつこいっ!
「妊娠前の身体と違うんだ!
…お腹に傷が出来て…その…あちこち肉が付いて、ぷよぷよになってて…
お前、絶対萎えるから!だから、嫌だっ!!」
「右京っ!!!」
ぐへっ
力一杯、ぎゅうぎゅうに抱きしめられ変な声が出た。
「右京、お前…何てかわいいんだ!
傷?子供が出来た戦利品じゃん!
ぷよぷよ?大歓迎だよっ!
俺は、以前のお前も今のお前も、変わらずに愛してるよ!」
くっ、苦しい…
どんどんと背中を叩いて、緩んだ腕から抜け出した。
「とにかく…ダメーーっ!!
…今日からしばらく、寝室は別にするっ!」
がっくりと肩を落とした潤を残し、優を連れて別室に引越ししたのである。
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