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賑やかな家⑨
かわいい兄嫁の姿と言葉につられて
「おっ、俺もっ!嫌な訳じゃなくって…
俺も身体が変わっちゃってるし…
それに、何かもう疲れちゃって、継の相手なんてしてられなくって…
継の気持ちも分かってるんだけど…」
真っ赤になって黙りこくった俺達を眺めていたお義母さんは突然叫んだ。
「いいこと思いついた!」
優君と仁が、びくっ と反応した。
「あっ!ごめんごめん。びっくりさせちゃった…
右京君。
週末一晩、優君を預かってあげるから、デートしておいで!
詩音君は身体の調子を見てから、今度ね。」
「「デートぉ??」」
「そう、デート!」
悪戯を思いついたような顔のお義母さんは、くふくふと笑うと
「二人っきりでイチャイチャしておいで!
あっ、その前にエステに行っておいでよ。
俺の行きつけのお店のサービスチケットがあるから、頼んでおくし。
えーっと…今日は木曜日だろ?
たーいへん!今週なら明日しかないじゃん!」
右京さんの意見も聞かずに、携帯をタップして呼び出している。
「あの…お義母さん?」
「俺達、そんなエステなんて」
「もしもし?あ!麻生田ですっ!………」
話が勝手に勧められて、右京さんは明日、俺はもう少し落ち着いてから…と予約を取られてしまった。
「それと…これも忘れちゃダメだよねー。」
なんて言いながら、何処かへラインしているようだった。
右京さんと俺は顔を見合わせて
(どうする?詩音君…デートって…ただのデートで済まないよ…絶対エッチ付きだよ…)
(右京さん…お義母さん、盛り上がっちゃってる…エステだって、今更断れない雰囲気…)
(うーん…仕方ないか…俺が先だから、トライしてみる)
等と、コソコソ話をしていた。
その間もお義母さんの指は、画面の上で忙しなく踊っていた。
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