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葛藤 side:右京③
「お義母さん…心配を掛けてゴメンナサイ。
遠慮なく甘えちゃいます。
優をお願いします。
夜泣きしなくなったし、お利口にできると思うんだけど…」
「右京君…」
「俺…レスになり掛けてたから…
このままだとヤバかったかも。
この話、正直最初はムッとしたんだ。
今までは、そんな話題は“俺から”振ってて、羞恥心も軽かったんだけど、“お義母さんから”言われて…改めて恥ずかしかったと言うのか…
やっぱりΩは性的な欲望の発散相手なのかって、考えちゃって…
でも、そうじゃないことが分かったんだ。
お義母さん、ありがとう。
明日、エステも行ってピカピカに磨いてもらうよ。
…俺、うーんと、潤に甘えてくるね。
取り敢えず、今日から家庭内別居は解除するよ。」
「右京君…嫌じゃないの?いいの?」
「うん!キッカケがないと…ね?
だから、お義母さん、ありがとう。」
「何か…ホントにお節介な親バカでごめんね。
でも、でも見過ごすことができなくて…」
「うん。分かってる。
俺、そんなお節介なお義母さんが大好きなんだ。ありがとう。
俺達、お義母さん達に負けないラブラブバカップルになるよ。」
えへっ と舌を出して笑うと、お義母さんは大きな目を潤ませて微笑んだ。
「ありがとう、右京君。
バカップル、大歓迎だよ。
優君はちゃんと面倒見るから、ゆっくりしておいでね。」
「はい!お願いします。」
その後は、どれを着て行こうか、ネクタイはこれだね!とか、ディナーは高級店に連れて行ってもらえ!、おねだりして好きな物買ってもらえ!とか、いつもの調子で言いたい放題…だった。
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