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デート♡デート♡デート♡①

side:継 香川先生からお預けを食らった俺は、親父や兄貴に散々馬鹿にされ、お袋や右京さんのやや冷たい視線に耐えつつも、詩音の退院を心待ちにしていた。 「ママはもうすぐ帰ってくるからな。 仁、お前もいい子にしてろよ」 「ままー、ままー」 「うん。早く会いたいよな。」 「ぶうっ」 仁の相手をしつつ、毎日今か今かと待っていた。 俺が迎えに行くと言うのを『お仕事優先!』と一刀両断に却下され、結局お袋が行くことになった。 相変わらずの詩音。 そうして退院当日、ため息をつきながら仕事をこなす俺の元にラ○ンが! 『無事退院しました。 ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。』 何とも事務的なメッセージ… 詩音らしいと言えばそうなんだが。 携帯を見ながらため息をつく俺に、篠山さんがコーヒーを出してくれた。 「詩音様、無事に退院なされたのですね。 良かった、良かった。 社長、今日はこの後一件だけ面会の予定がありますが、その後はフリーです。 急ぎの仕事もありませんから、今日は直帰なさっても」 「篠山さんっ!ありがとう! ぜひ、ぜひそうさせて下さいっ!」 篠山さんの言葉を遮り、気の利く優秀な秘書殿の手を握りしめてお礼を言い、退院祝いを何にしようかと、そればかりを考えていた。 「じゃあ、篠山さん、後はよろしくお願いします!」 訪ねて来た取引先相手をやんわりと早々に帰し、俺は鞄を引っ掴むと走り出した。 そして向かったのは、右京さんが務めていた花屋。 「こんにちは!お願いしてた物は…」 「継君、いらっしゃい!できてますよ! 奥様ラブでいいですねぇ。」 もうすっかり懇意になった店長に揶揄われながら、代金を払い花束を受け取った。 ずっしりと重い真っ赤なバラの花束。 詩音…俺の愛を受け取ってくれ… 詩音はどんな顔をするだろう。 ウキウキしながら帰宅した。

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