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デート♡デート♡デート♡④
一日一日、日が過ぎるのが待ち遠しくて待ち遠しくて堪らない。
きっと兄貴もこんな気持ちだったんだろう。
兄貴は俺に黙っていたけれど、俺は我慢できなくて伝えた。
「そうか、やっとか。良かったな。
あの時、俺もお前に伝えたかったんだけどさ、自分ばかりいい思いするような気がして…言えなかったんだよ。黙っててごめんな。
まぁ、楽しんでこいよ。」
と揶揄い半分激励された。
篠山さんからも
「社長、ご機嫌ですね。何か良いことでも?」
と聞かれ、調子に乗って、実は…と惚気てしまった。
それならば…と、金曜に入っていた予定を念のために水曜までに前倒しで変更し、その日は絶対に定時までに帰れるよう調整してくれた。
流石、気の利く秘書殿だ。
その上、知り合いのハイクラスのホテルの支配人を紹介してくれ、夜景の素晴らしい一室を押さえることができた。
「何から何まで…篠山さん、申し訳ない…」
「何を仰います!私は社長と詩音様に喜んでいただければ、それで良いのですよ。」
「篠山さん…」
思わずハグしてしまった。
「そうと決まれば…はい、お仕事に集中して下さいませ!」
あぁ…飴と鞭…俺を手玉に取って転がすのが上手い…
俺は黙って頷いて、秘書殿の言う通りに黙々と仕事をこなしていった。
そうして、やっと迎えたデート当日。
朝からウキウキそわそわと落ち着かない俺と、ほんのり頬を染め口数の少ない詩音を家族は生温かく見守っていた…と思う。
仁は何か察知していたのか、詩音にべったりで離れず、何故か俺を威嚇していた。
「仁、パパお仕事行ってくるぞ。」
「ぶうっ。パパ、いーーっ。」
「こら、仁。行ってらっしゃいは?」
「ぶうっ!」
「あははっ。詩音君争奪戦だ!」
呑気なお袋は、仁の手を振り口を動かした。
「パパ、行ってらっちゃい!」
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