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デート♡デート♡デート♡⑩
「逆上せたら大変だから…」
と、丁寧に身体の隅から隅まで拭き取り、水を飲ませる間に髪の毛を乾かしてやる。
勿論、俺の準備も怠らない。
軽々と横抱きにしてベッドに横たえると、キングサイズのベッドのスプリングも具合良く、俺達を受け入れてくれた。
「詩音…痛くないようにするし、ちゃんと避妊もするから…俺を…俺を受け入れて…」
右手を恭しく掲げ、その薬指に光る指輪にそっと口付けた。
詩音は聖母のような微笑みを浮かべて言った。
「継…俺を…愛して下さい…」
ぶわりと絡みつく二人のフェロモン。
濃厚なそれは、俺達を獣に変えるのに十分だった。
噛み付くようなキスを繰り返し、キスだけで息絶え絶えになった詩音の全身を舐め尽くし、甘噛みの跡を残し、頸の番の印にも歯を立てた。
じわりと滲む鮮血を舐め取ると、涙目の詩音が何か言いたげに震える唇を動かした。
まさか、嫌なのか?
眉をひそめ、詩音の言葉を待った。
ケイ、スキデス
アイシテイマス
オレヲ ハナサナイデ
爆発しそうなフェロモンの放出!
もう、止まらない。止められない。
俺を無自覚に煽る最愛の伴侶に跨ると、その耳元で
「お前だけを愛している」
と何度もささやくとスキンを手早く装着して、濡れそぼり俺を待つ後孔へ擦り付けた。
「今夜は寝かさないから。」
その言葉に俺の天使は一瞬顔を強張らせたが、すぐに
「…お手柔らかに…」
と微笑んだ。
組み敷いた詩音にゆっくりと被さりながら、俺自身を挿入していく。
あぁ…懐かしいこの感触。この温もり。
夢のひと夜が幕を開けた。
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