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デート♡デート♡デート♡おまけ⑥
食べられている。
逞しくて優しくて美しい猛獣に。
「…くっ…詩音、もうちょっと緩めて?
そんなに締められたら、持たないよ…うっ」
甘えた継の声に反応して、また繋がる部分に力が入ったのか、継が吐息とともに情けない声を出した。
“食べられる”んじゃない。
俺が継を“食べている”んだ。
うにうにとうごめく肉筒の中は、微妙な力加減で継の楔全体を愛撫していた。
継の全身に、くっ と力が入った。
大きく深呼吸して、放出の波を押さえ込んだのだろう、継が壮絶に色っぽい顔を近付けてきた。
「…言っても聞いてくれないコには、お仕置きするぞ…」
「…“お仕置き”は、嫌…継、お願い、優しくして下さい…」
涙の膜の向こうに微笑む継が見えた。
「…ふっ…分かってる。
詩音が、とろっとろになるまで…抱くから、そのつもりで…」
触れるだけのキスを唇に落とし、ゆるゆると継が動き始めた。
火の付いた身体は、少しの摩擦にも簡単に快感を拾い始める。
継は…
どこをどの角度でどの位の力で擦ればいいのか、俺以上に俺の身体を知り尽くしている。
随分前に聞いたことがあった。
『俺は詩音のことは、詩音以上に何もかも分かってるんだからな。』
その通りに弱い部分を柔く責め立てられ、吐息が溢れるのを止める術がない。
ぽろぽろと落ちる涙の粒はシーツに吸い取られ、溢れる吐息は甘い鱗粉を振り撒く蝶になる。
ほしい。もっとほしい。
継に埋め尽くされて、絶頂を迎えたい。
「綺麗だよ、詩音。
俺を求めて…俺だけのために啼いて…」
継の抽挿は激しさを増していく。
その強さが、熱が…俺の快楽の針を振り切りそうになっている。
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