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麻生田家嫁惚気大会①
俺達のデートから数日後…
昼ご飯も片付けも済ませた頃、申し合わせたように優君と仁がお昼寝タイムに突入した。
「二人ともお利口さんだね。
ママ達のティータイムに合わせるなんて!
さ、お茶にしようか!
頂き物のロールケーキがあるからね。」
俺達が手を出す間もなく、お義母さんが手早く準備をしてテーブルに運んでくれた。
「もーっ、お義母さん、また一人でやっちゃって…俺達の出番ないじゃん。」
「お義母さん、全部させちゃってごめんなさい。」
「なーに言ってんの。これっくらいで。
パパも呼んでこなくちゃ。
仲間外れにすると拗ねちゃって、あとから大変なんだよ。」
パタパタと廊下を走って行ったが、しばらくして一人で戻ってきた。
「パパは今から出かけなくちゃならないから、いらないんだって。
さ、食べよう食べよう!
美味しそうだよ!」
いつもタイミングが合わず、こうやって三人でゆっくりするのは本当に久し振りだった。
ワクワクしながらひと口頬張ると、生クリームがたっぷりなのに、甘みを抑えてあって美味しい!
フルーツも色鮮やかに入っている。
「「「美味しい!」」」
これはどこのお店のか、いくらするんだろう、
等と言っていると、お義父さんがひょこっと顔を出した。
「おっ、賑やかだな。
かーちゃん、行ってくるよ。」
「はい、パパ。あーん。」
「……んっ…美味いな。サンキュー。
夕飯には帰るから。
お嫁ちゃん達、行ってきまーす。」
「「行ってらっしゃい!」」
玄関まで見送りに行ったお義母さんは、ちょっぴり頬を染めて戻ってきた。
あ…見ないフリ、見ないフリ。
右京さんも明後日の方を向いて知らん顔。
いつまで経ってもラブラブな義両親 は、俺達の憧れだ。
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