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麻生田家嫁惚気大会②
満足気に食べ終えたお義母さんが、お茶を飲みながら唐突に尋ねてきた。
「ねぇねぇ、詩音君。
あれから気持ち悪いくらい継の機嫌がいいんだけど、デート楽しかった?」
爆弾投下。
ぼふっ と耳まで真っ赤になったのが分かった。
「おっ、お義母さん…いきなりそんな…
えーっと、あの、その…えーーっと…」
「もう、お義母さん!
詩音君を揶揄っちゃダメっ!
俺と違って免疫がないんだからっ!」
右京さんが笑いながら俺をガードしてくれる。
「あははっ!分かってるって!
でもさ、潤もそうだったんだけど、我が息子ながらデートの前後であまりにも極端過ぎてさ…おかしくって。」
「確かに…潤もあからさまだったけど、継君はそれの上をいってるよね。」
俺は何と答えればいいのか、目が泳いで挙動不審になっていた。
お義母さんは、そんな俺を優しく見つめ、恥ずかしそうに言った。
「あのさ、実はね、息子二人の様子を見てさ、パパが…」
ん?お義父さん!?
「『俺もかーちゃんとデートに行きたい♡』って言い出して…」
おおっ!お義父さんまで…
「ぷぷっ、お義父さん、まだこれ以上お義母さんにくっ付きたいの?
どんだけ愛 でてラブラブしたいんだよぉ。」
右京さんが大爆笑している。
釣られて俺もおかしくて笑い出した。
「だろ?大体息子達にライバル心燃やしてどうするのって。
幾つだと思ってんの、全く…
でね、今出かけて行ったのはね…早速『デートコースの下調べだ』って。
あー、恥ずかしいっ!」
両手で顔を覆い、俯いたお義母さんの耳は真っ赤になっていた。
「…お義母さん、ほんっとにお義父さんに愛されてるんですね…」
感心したように呟くと、右京さんが
「だって“あの”お義父さんだよ!?
『絶対的α発動』だね、お義母さん?」
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