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麻生田家嫁惚気大会⑤
え…右京さん、そんな風に思ってたんだ…
『出会いは最悪で』って笑ってたけど。
いつもツンデレで、お義兄さんを手の平で上手く転がして、いや言い過ぎた、あしらい方が上手で…
こんなにカッコよくてしっかり者で、誰よりも愛情の深いこのひとは、お義兄さんのことをとっても大切に大切に思ってるんだ…
ううん。
お義兄さんの方が、右京さんにベタ惚れだよ!
「右京君…」
お義母さんは右京さんの隣に座ると、一筋流れた頬の涙をそっと拭った。
「潤は、右京君を心から愛してるんだよ。
側で見ててもウザいくらいにね。
他の誰かじゃダメなんだ。
右京君じゃないと。
だからそんな風に思わなくていい。
潤には右京君しかいないんだよ。」
「お義母さん…
俺、毎日毎日潤のことが好きになるんだ。
こんなに好きになったらどうしようってくらいに。
でも、素直じゃないから、冷たくあしらったりするんだけど、潤はそんなこと気にもせず、変わらず俺を愛してくれるんだ。
…だから、この間のデート、とってもうれしかった。俺も、甘えることできたし。
ありがとう、お義母さん。
ね、詩音君もそうだよね?」
いきなり振られてびっくりしたけど。
「はっ、はい!
俺、妊娠して仁が生まれて…継のことほとんど構う余裕がなくって…
それでも継は文句も言わずに、ずっと我慢して待っててくれてて…
だから、デート、とってもうれしかったです!
俺も甘えることできた…
お義母さん、ありがとうございました。
だから、お義母さんも楽しんで来てほしいです。」
お義母さんはホッとした顔をした。
「この年でさ…外でイチャイチャするなんてどうかと思ってたんだ。
でも、パパがあまりにもうれしそうにしてるから…
あ!ごめん、いつも家でいちゃついてるよね!?
へへへっ。
幾つになってもパパは相変わらずカッコよくて優しくて、ダンディで…ちょっとエッチで…」
最後の方は、ごにょごにょと小さな声になってた。
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