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余韻③

昨夜(ゆうべ)、あんなに愛し合ったばかりなのに。 こんな明るい中で乱れる様を見られるなんて。 “いい年して”って思われてるんじゃないか。 それでも、俺の身体は貪欲に慎也さんを求めていた。 「あんっ、しんや、さんっ、はっ、あっ」 途切れ途切れの甘い吐息が、唇を割って漏れ出してしまう。 体重を支える両手は、次第に力を失ってズルズルと滑り始めた。 それに気付いた慎也さんは、繋がったまま俺ごと少し身体を捻り、俺の手を側にあった手すりに掴まらせ、うれしそうに呟いた。 「これで思う存分愛してやれる…」 背中をぞわりと甘い電流が走った。 「真澄…死ぬまで…いや、死んでも永遠に愛してるよ。」 ふいに耳元でささやかれ、思わず後孔を締めてしまったようだ。 (かわいいことしやがって)と言う声と同時に、抽挿が再開された。 「ああっ!!」 太くてがっしりした指が臀部に食い込む痛みは、やがて快楽を後押しする媚薬に変わる。 もう、あの頃のように若くはないのに、俺の中は最愛の番のモノを受け入れて、愛液を流し、蠢く襞は雄々しい楔に吸い付いて離れようとはしない。 その襞を潰し削り取り、削ぎ落とすように、激しい抽挿が続いている。 振り撒かれるお互いのフェロモン。 番にしか効かない甘い匂い。 ピンクを通り越して白金色になった慎也さんのオーラが俺を包み込んで離さない。 こんなに無条件に愛してもらって、こんなに求めてもらって、俺は、何て幸せなΩなんだろう… 慎也さん、あなたに出会えて、俺は、本当に、幸せです… 断続的に迫り上がる絶頂感に眩暈を覚える。 ホントに、何度もイかされている。 俺自身の先端から、絶え間なく出ていた愛液はもう出なくなり、繰り返すドライで頭がおかしくなりそうだった。 「真澄っ、イくぞっ!」

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