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余韻⑤

また、ちょこちょことイタズラされながら、丁寧に身体中を洗われ、お風呂を出る頃には、逆上せと快楽の余韻でグッタリとなってしまっていた。 「真澄、今 水持ってくるから、待ってて!」 俺を洗面所の椅子に座らせると、慎也さんが慌てて水を取りに行った。 目の前の鏡には、頬を染め涙目の俺が映っていた。 その瞳は…発情期のように情欲に満ち、我ながら凄まじい色香を放っていた。 直視できなくなって、思わず視線を横に()らし、顔を覆った。 あぁ…恥ずかしい… 年甲斐もなくあられもない声を上げて、身体を開き、(あのひと)を受け入れた。 ドライで何度も何度も達して、腰も足も覚束ないくらいに乱れてしまった。 「真澄!?気分悪いのか?とにかくこれ飲んで!」 「…ありがとう…」 よく冷えたミネラルウォーターを一気に半分くらい飲み干した。 慎也さんからは、心配と焦りと謝罪のカラーが溢れ出して止まらなくなっていた。 ふうっ… と、ひと息ついて 「大丈夫…逆上せちゃっただから…」 心配しないように、敢えてそう答えた。 俺の前に跪いた夫は、俺の手をそっと握りしめて 「すまない…調子に乗った。 …でも、お前があまりに綺麗でかわいくて、いじらしくて…そうせずにはいられなかったんだ…」 俯いて大きな身体を屈めて許しを請う猛獣は、すっかり意気消沈している。 「…慎也さん…」 俺の声に顔を上げた猛獣の目は『ごめんね』と言っていた。 叱られたワンコみたいなその顔が かわいくて、髪の毛を撫でながら 「慎也さん、俺みたいなのをまだ愛してくれてて…うれしい…愛してますよ、ずっと。」 途端に顔をくしゃくしゃにして飛びついてきた猛獣からは、甘い匂いとピンクの鎖が飛んできて…ぐるぐる巻きにされていた…

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