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青天の霹靂②

朝早く、お義母さんが叫びながらキッチンに飛び込んできた。 「たーいへーーん! パパぁーーっ!けーーーーーいっ!」 俺と右京さんは何事かとお義母さんを見た。 その腕には“何か”を抱いている。 「かーちゃん、朝からどうしたんだ?」 お義父さんが顔を覗かせた。 「パパっ、これっ! 継っ、継どこっ!?早く呼んでっ!!!」 「まぁ、落ち着け。 けーーーーーいっ! おーーい、けーーーーーいっ!!!」 「何騒いでんの?みんな、おはよー!」 「おあよー!」 寝起きの良いご機嫌な優君を抱っこしたお義兄さんが、寝ぼけ眼で現れた。 ドタドタドタ 「んー、何だよ、朝っぱらから…」 やっと、仁を抱っこした継が現れた。 「継っ!あんたっ、どういうことっ!?」 怒髪天を突く勢いのお義母さんが、“何か”をぐいっと継の目の前に突き出した。 顔を見合わせて『それ』を覗き込んだ継と俺は… 頭に大きなクエスチョンマークが出ていた。 「…赤ちゃん?」 「この子と俺と、何の関係が?」 「アンタの子だって! どういうこと?? 説明しなよっ!!!!!」 えぇーーーーーーーーーーーーーっ!? 麻生田一家、阿鼻叫喚。 お義母さんは般若の形相で、継に食ってかかる。 それを止めるお義父さんとお義兄さん。 訳の分からない出来事にフリーズする継と俺。 右京さんが玄関の方へ走って行き、間もなくカゴと手紙のようなものを持ってきた。 「お義母さん、これ…」 「あっ、ありがとう、右京君! 継!これっ!これ読んで!」 何のことやら…と、首を捻りながら手紙を受け取った継が、手紙を読み始めた。 「『麻生田 継様 この子は『和樹』といいます。 あなたの子供です。 大事に育てて下さい。 井上 友梨奈』 はぁーーーーーっ????? 何だこれっ?????

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