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青天の霹靂⑨
右京さんが口を開いた。
「友梨奈さん、一番に謝らなきゃならないのは誰?
あなた、母親でしょ?」
友梨奈さんがハッとした顔で、和樹君を見た。
「和樹…ごめんなさい…」
この大騒動の中、和樹君はすやすやと寝息を立てて寝ている。
その腕の中の子供をぎゅっと抱きしめた。
「上っ面の言葉じゃなくて!!
旦那が浮気をして子供まで作ったのかと、心を痛めた詩音君にも心底謝って!!!
疑われた継君にも!
あなたを探し回ったご主人にも!
迷惑を掛けたお義父さんとお義母さんにも、ちゃんと謝って!!
どんな事情があっても、親が子供を捨てるなんてあり得ないっ!
捨てるんなら生むなっ!!
生んだのなら、一生責任持って育てろよっ!」
半泣きで叫ぶ右京さんをお義兄さんが抱きしめた。
「右京、もういい…分かったから…落ち着け。
右京…」
右京さんは、お義兄さんに縋り付いて泣き出してしまった。
あれは右京さんの心の叫びだ。
捨てられた自分と和樹君を重ねたんだ。
だから…許せないって…
「…本当に、本当に、申し訳ありませんでした…」
頭を下げてそう言った友梨奈さんは、あとは嗚咽で言葉にならない。
ご主人も頭を下げ続けている。
「頭をあげなさい。」
お義父さんの柔らかく優しい声が響いた。
「どんなバカなことをしたのか、痛い程分かったでしょう?」
ゆっくりと二人がお義父さんの方を向いたその時、
ピンポーーン ピンポーーン
「あ、俺が出るから。」
と、またお義兄さんが玄関に行ってくれた。
間もなく戻ってきたその後ろに、見慣れぬご夫婦が…
「親父?お袋っ!?」
「浩志っ!友梨奈さんっ!
あなた達、何てことをっ!
麻生田さん、この度は息子達がご迷惑をお掛けして大変申し訳ございませんでした…」
「何とお詫び申しあげてよいやら…本当に申し訳ありませんでした。」
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