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旅立ちを見送る⑨

手術の間は、継と俺は子守を兼ね遠慮して留守番部隊になった。 お義母さんからのラ◯ンによると、俺たちに起こった夕べの出来事を聞いた右京さんは泣いていたものの、気丈にも『行ってきます』と微笑んで手術室に向かったとのこと。 『詩音君に“まめに優しくしてくれてありがとう”って伝えて。』 泣いちゃダメだけど、それを見たらまた泣けてきた。 身体中の水分が抜けるかと思うくらいに泣いてる。 優君と仁は、ご飯を食べた後も相変わらず仲良く遊んでいる。 きっと…まめちゃんも見守ってくれてる。 「詩音、少し横になったらどうだ? 寝てないだろ? 二人は俺が見てるから。」 「大丈夫です。継こそ…ゆっくり休んで下さい。」 「俺は平気だよ。 …詩音、抱いていていいか?」 「…はい。」 継に横抱きにされて、おもちゃで遊ぶチビ助達を見ていた。 落ち着かない時間が過ぎて… お義母さんからのラ◯ン! 『無事に終わりました。 右京君は明後日退院の予定です。 詩音君、ありがとう。』 『無事に終わって良かったです。 優君はとてもお利口さんですよ。 右京さんに、ゆっくり休んでね、ってお伝え下さい。』 『OK! 右京君の目が覚めたら、パパと帰るね。』 『はい。お義母さん達もお気を付けて。』 “thank you”の看板を持ったウサギのスタンプが送られてきた。 ぺこりとお辞儀をする犬のスタンプを送り返した。 「右京さん、無事に終わったそうです。 お義父さんとお義母さんは、右京さんの目が覚めたら帰りますって。」 「そうか。兄貴はきっと病院に泊まるよな。 じゃあ、今日も俺が腕を振るってやるよ。 こう見えても一通りのことはできるからな。 詩音はチビ助達を頼む。」 「え?また継が作ってくれるんですか?」 意外そうな俺の言葉に継がむくれた。

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