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旅立ちを見送る⑩

その様子に慌ててフォローする。 「昨日のおうどんも、とっても美味しかったです! 今日は何を作ってくれるんですか? 楽しみです!」 途端に機嫌が直った継を更に煽てて何もかも任せて、チビ助達のお相手をしていた。 バタバタと過ぎた数日後… 俺達は右京さんの退院を待って、葬儀を快く受けてくれた麻生田家の菩提寺にいた。 独特の雰囲気に呑まれてるのか、チビ助達はやけに大人しい。 右京さんは…もう、泣いてはいなかった。 しゃんと背筋を伸ばして、最後まで見届けようとしていた。 その傍らでは、優君を抱いたお義兄さんが労わるように寄り添っていた。 (まめちゃん、会いに来てくれてありがとう。 また何処かで会おうね。) お別れに来てくれたまめちゃんのことを祈りつつ…和尚様の朗々とした読経が響いていた。 柔和なお顔の、如何にも“修行を重ねて達観した”というオーラの和尚様が 「生きるのもあの世に行くのも、訳あってのこと。 現実には いなくなったけれど、あの世での修行が始まるんです。 命の大切さと家族の温かさを伝えに来たのかもしれませんな。 きっと、この子達…いや、あなた方みんなを守ってくれるでしょう。」 それを聞いた右京さんが、堰を切ったように泣き出した。 お義兄さんがそっと抱き寄せる。 「ぴかぴか、ばいばーい!」 「ばいばーい!」 あぁ、この子達には まめちゃんが旅立つのが見えてるのか。 二人がひらひらと手を振るその方向に向かって、俺も、泣きながら手を振った。 「まめちゃん、バイバイ!また会おうね!」 嗚咽しながらお義母さんが呟いた。 「…真理子さん、まめちゃんをかわいがって下さいね…よろしくお願いします…」 後はもう、涙で見えなくなった。

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