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ポジティブ②

右京さんは続けた。 「あ、勿論、家のことや優のことはちゃんとするつもりでいるよ。 それでも、お義母さんや詩音君に迷惑をかけることも沢山出てくると思うんだけど。 …一番迷惑かけて心配させるのは…潤なんだけどね。」 黙って聞いていたお義兄さんは、右京さんの頭をそっと撫でると 「右京がそうしたいなら、やってみたらどうだ? あの店長さんには、随分とお世話になったからね。右京に連絡があるくらいだから、余程困ってるんだろう。 ただし、絶対に無理をしないこと。 これを守れるんなら、右京のやりたいようにすればいい。 俺もできるだけ協力するから。」 「ホント!?いいの?潤、ありがとう!」 右京さんはピョンと跳ねて、お義兄さんに抱きついた。 俺にウインクするお義兄さんに会釈して、そっとその場を離れた。 右京さん、一歩踏み出したんだ。 良かった。 目尻に浮かんだ涙をそっと拭いながら廊下に出ると、優君を抱っこしたお義母さんがこちらを見ていた。 「お義母さん…」 お義母さんは優君の手を振りながら、いつもの腹話術を始めた。 「『ママ ダイジョウブデチュ。 シオンクン、ミマモッテテネ。』」 優君は一緒に手をブンブン振って 「まーちゃん、おりる!」 と、とことこ右京さん達がいる方へ行ってしまった。 お義母さんは、その姿を優しい目で見送ると 「ちょっとカラ元気な感じはあるけど…右京君はもう大丈夫だと思う。 …俺達もいつまでもメソメソしてられないね。 まめちゃんに叱られちゃう。 優君は短期の保育園預かりに申し込んだんだって。 潤に一応お伺い立ててたけど…事後承諾。 ふふっ。右京君の勝ちだね。」 お義母さんは「さ、ご飯の用意しよぉーっと」 とスキップしながらキッチンに行ってしまった。

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