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ポジティブ③
俺もお義母さんの手伝いをしようと振り向いたその時
「詩音くーん!」
と、右京さんが抱き着いてきた。
慌てて受け止めると
「俺、もう大丈夫だから。
まめちゃんに笑われないように、あの子にまた会えるように、頑張るよ。
暫くお家のこともできなくなるし、お義母さんや詩音君に負担を掛けるけど、ごめんね。」
「負担だなんて!そんなこと思わない!
お家のことは気にせずに、右京さんはお仕事頑張って下さいね。
…俺もまめちゃんに笑われないようにしっかりしなきゃ。」
「ありがと、詩音君。俺、頑張るよ!
あ、『頑張り過ぎずに頑張る』!!!」
二人で顔を見合わせて吹き出した。
良かった。
いつもの右京さんだ。
にっこり微笑んだ兄嫁は
「お義母さんの手伝いしてくるよ。
しばらく一緒にできないかもしれないし、今日は俺がやるから、詩音君はゆっくりしててね!」
そう言い残してパタパタと走って行った。
きっとお義母さんと二人だけで話したいこともあるに違いない。
そう思いお言葉に甘えて、仁の相手をしてくれている継の元へ。
俺に気付いた仁が
「まぁーま!まぁーま!」
と継の腕から抜け出そうと暴れている。
「うわっ、こらっ、仁!」
継の慌てぶりがおかしくって、クスクス笑いながら仁を受け取った。
「まぁま、ちゅ!」
俺の首に小さな手を絡み付け、頬にキスをする仁に
「あははっ、仁、擽ったいよ。」
お返しに頬にキスをすると、きゃあきゃあ大喜びだった。
と…真下から不穏な匂いが…継が…超絶不機嫌な匂いを出しまくっている。
マズい。
ご機嫌が悪くなると、後々面倒だ。
幸い…今はここに俺たちだけ。
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