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疲労困憊②
俺は二人を抱き寄せて両膝に乗せ、背中をトントンと叩いて必死であやす。
「ああっ、もう。泣かなくてもいいからっ!
よしよし。
分かったから、泣き止んで!」
ぎゃおぎゃおと怪獣のように泣き叫ぶチビ助達を抱いて、俺は途方に暮れてしまった。
泣きたいのは俺の方だよ。
一体いつからこんなワガママになったんだ!?
甘やかした俺のしつけ方が悪かったのか…
宥 めすかして、やっとのことで泣き止んだチビ助達は泣き疲れたのか、そのうちぐっすりと寝てしまった。
悪戦苦闘しながら、何とか一人ずつ横に寝かせて、布団を掛けた頃には、俺はもう汗びっしょりで床にへたり込んで動けなくなってしまった。
…優君は保育園でも、きっとこんな感じだったんだろうな。
あのお義母さんが、横になりたくなる気持ちは凄くよく分かる!
とにかく水分補給だ…
ヨロヨロと冷蔵庫に辿り着き、ミネラルウオーターのペットボトルを引っ掴むと、一気に飲み干した。
ぷはぁーっ
着替え…いや、チビ助達が起きないうちに、もうシャワーを浴びてしまおう。
汗でべたべただ。
二人がピクリとも動かず寝ているのを確認して、ダッシュで着替えを取りに行き、バスルームへ駆け込んだ。
俺がリビングに戻ってくると、お義母さんがソファーに座っていた。
「お義母さん!もっとゆっくり休んでくればいいのに!」
「詩音君、大変だったろう?
丸投げしちゃってごめんね。
大泣きしていたのは聞こえてたんだけど、身体が動かなくって…お陰で休めたよ。
頑張ったね。ありがとう。」
「いいえ…二人が『いやいや』の大合唱始めちゃって、俺思わず叱りつけたんだ。
それが怖かったのか、大泣きしだして…泣き止まなくって…」
段々自己嫌悪に苛まれてくる。
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