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疲労困憊④

お義母さんはにっこり微笑むと 「さぁて、チビ助達が大人しい間にご飯の用意してしまおうかな。 詩音君は座ってていいよ。」 「お義母さん、二人でした方が早いです! 一緒にしましょう!」 「そう?助かるな。 じゃあ、チャッチャッとやってしまおう!」 「あれ切って」「これ混ぜて」「それ焼いて」 と言うお義母さんの指示通りに、手早く作っていく。 右京さんは、今日はぐったりと疲れ果てて帰ってくるだろう。 久し振りの職場は大丈夫だったんだろうか。 そんな心配をしながらも手は動いている。 あっという間に粗方できてしまった。 「あー、詩音君、助かったよ!ありがとう! さ、ちょっとのんびりしようよ。」 ソファーに座って、お義母さんとコーヒーを飲んでほっこりする。 二人同時に、はぁっ…とため息が溢れ、顔を見合わせて笑ってしまった。 「詩音君、しんどい時はしんどい、辛い時は辛いってちゃんと教えてね。 俺達はお互いに“見たら”“匂いで”分かるけど、遠慮しないで言葉で伝えてほしい。」 「はい!遠慮はしてませんから!」 「そう?それなら良かった。 あ、ねぇねぇ、このクッキー美味しいんだよ! チビ助達に見つからないように食べちゃおう。」 「…ホント、美味しい…」 「あー、甘い物が染み渡る…ご飯に差し支えないように…ね!?」 立て続けに四枚食べてから、お義母さんはウインクした。 「ただいまぁ…」 右京さんだ! 「ただいま…はあっ、優をありがとうございました…」 「右京君お疲れ様!ほら、座って座って!」 「右京さん、お帰りなさい!お疲れ様でした!」 俺は右京さんの前にコーヒーを置いた。 「ありがと。」 右京さんは、どう見ても“精根尽き果てた”といった感じ。 ぐったりと背もたれに寄っかかって、暫く動かなかった。

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