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疲労困憊⑧
継がほしい。
瞬間、継を誘う俺のフェロモンが、ふわりと二人を包んだ。
「詩音っ!いいのか?本当にいいのか?」
しょげた狼は何処へやら。
瞳がキラキラ、フェロモンむんむんの継が覆い被さってきた。
濃厚な雄の匂いが纏わり付き離れない。
そっと両腕を逞しい背中に巻き付ける。
「詩音がほしい。」
耳元でささやいた継に頷いて、じっと見つめる。
抗えない。
こんなに『お前がほしい』と全身全霊で言われるなんて、番冥利につきる。
「優しく…ね?…ちゃんと…スキンも…」
最後の方は小さな声で、念押しするように伝えると、至近距離で微笑まれ、リップ音付きのキスで返事された。
ゆっくりと裸にされて、愛おしげに身体中を摩られる。
継の指先から何か出ているように、触れられるところがビリビリと快感に慄く。
怖い。
俺の身体、どうなっちゃうんだろう。
「詩音?」
訝しがる継に
「…継が触ってくるところビリビリして、全部…気持ち良くって…何か…怖い…」
継はフッと笑うと
「大丈夫。俺も気持ち良くって…」
噛み付くようにキスされる。
溢れ出る唾液を全て啜られて飲み干されていく。
毛穴という毛穴から、甘い匂いが立ち昇る。
継を誘い、獣に変えていく魅惑の香り。
首筋に顔を埋め、すんすんと嗅ぎ回る継がうっとりとした声でささやく。
「堪んねぇ…すっげぇいい匂い…」
継の首に腕を絡め、俺も思い切り深呼吸して、雄の匂いに酔いしれる。
あぁ…ステキな大好きな匂い…
もう、ダメ。
歓びを知った身体の火照りを冷ますことはできない。
「…継…大好きです…愛しています…」
お互いに身体中を弄り合い、絡み合い、交わって…甘ったるい夜が更けていった…
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