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疲労困憊⑩

継は俺の頭を優しく撫でると 「詩音が体調崩してるから今日一日休ませるってお袋に伝えておいた。 『構わないでいいから、そっとしておいて』って。 は言ってないけどね。 ご飯もお袋が運んでくれるから、心配しないで。食べたらそのままにしておけばいい。 俺はなるべく早く帰るから…会社だって休みたいくらいだけど、そうしたら詩音に叱られちゃうからな。 ほら、湿布貼るからそっと横になって。」 えっ…継が『仕事に行く』って…進歩だ…父親の自覚ができたのだろうか。 何かあると『会社を休む』と暴れてた、あの甘えたの継が…感動… 言われるがままに継の言う通りにする。 「まぁま…まぁま…」 「仁!おはよう。」 「仁、おはよう。 まぁまは“痛い痛い”なんだ。今日はパパとお出かけだよ。」 「まぁま、たいたい?」 継は仁を抱っこして枕元に連れて来てくれた。 仁は身体を乗り出して、横になってる俺の頬っぺたをそっと挟んで、ちゅ とキスをくれた。 かわいくってうれしくて、キスを返しおデコをくっ付けてぐりぐりした。 途端に不穏な匂いと空気が… 「あっ、あっ、継っ! 仁の着替えは二段目の引き出しにっ!お願いしますっ!」 慌ててお願いすると、唇に濃厚なキスが! 「仁にはやらねーよ。」 おかしいやら情けないやらでクスクス笑うと、またキスされて、それを見ていた仁が継の腕の中で暴れ出していた。 もう…また張り合ってる… 準備を済ませた継にまたキスされた。 「じゃ、ご飯食べて行ってくるから。」 下から右京さんも出掛ける声がする。 「行ってきまーーーす! お義母さん、あとお願いしまーす!」 今日もクタクタになって帰ってくるのだろう。 優君のお守りでお義母さんもクタクタ。 俺は…“違う意味”でクタクタ。 みんな疲労困憊の嫁達なのであった。

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