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家事と育児と仕事①

右京さんが仕事に復帰して二週間が過ぎた。 優君のお迎えが右京さんになったから、お義母さんもいつもの通常運転で、パタパタと(うち)のなかを動き回っている。 優君は『イヤイヤ』を少し卒業したみたいだ。 保育園にも随分慣れて、昼間思いっ切り遊ぶせいか、夜はぐっすりと寝るので助かってるらしい。 久し振りに一緒にお茶をする右京さんが、ぼそぼそと話し始めた。 「このまま仕事に復帰してもいいかな、なんて思い始めてるんだ。 みんなにはまだ内緒なんだけどね。 でも、まだ優には手がかかるし、二人目もほしいし…お義母さんや詩音君に負担も掛かるから、悩んでるんだ。」 「俺は負担だなんて思ってませんよ。 お義母さんだって。」 「でもね、主夫が外に出て働くって、やっぱり大変だよ。 うちはお義母さんと詩音君がいてくれて、家のことみーんなしてくれるだろ? 世間一般のお家はそうじゃない。 全て自分でやらなくちゃならない人達の方が多いんだよ。 甘えてるな、ってつくづく思う。 詩音君、ありがとう。」 右京さんはそう言って、ぺこりと頭を下げた。 「右京さん、やだっ!頭上げてっ!」 ゆっくりと頭を元に戻した右京さんは、申し訳なさそうに俺を見つめていた。 「本当に悪いと思ってるんだ。ワガママ言ってるってのも。 家事と育児の大変さはよく分かってるはずなのに。 今の仕事、とっても好きなんだ。 俺が自立するキッカケを作ってくれたから。 自分が好きなことして、人に喜んでもらえる上にお給料も貰えるなんて、贅沢だよね。 だから、働く形態を考えてもいいかなって。 フルタイムじゃなくて、午前中だけのパートとか、曜日限定で、とか。」

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