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家事と育児と仕事②
「お義兄さんは何て仰ってるんですか?
特に反対してないみたいだけど。」
「うーん、潤はね…反対はしてない。
『好きなことやればいい』って言ってくれてる。
でもね、潤を構う時間が明らかに減っているから、無言の不機嫌オーラが半端ないんだ。
色が凄いんだよ。
言葉で何も文句を言わないだけに、流石に俺も悪いと思ってるんだ。」
「それは…仕方ないかも…」
「あの甘えたの潤が、よく我慢してくれてると感心するよ。
多分『一カ月』って期限を決めてるから、何も言わないんだと思う。
だからさ、このまま仕事を続けたいなんて言ったら、暴れるに決まってるし。
優だって…まだ小さいから当然なんだけど。
家に帰ってきたら、潤以上に甘えたになってるし。
保育園では先生の言うことを聞いて、とってもお利口らしいんだ。
その反動のせいか、家で俺にへばり付いて離れなくなってさ、俺を独占したくてそれが気に入らない潤とのバトルが始まって、二人のお相手でもうヘトヘトになるんだよ。
本当にもう、うちのαは何でこんなんだろう。
“外ヅラよしお”め!
詩音君は?
仕事の復帰とか考えてるの?」
「俺は…不器用で、一度に二つのことはできないから、専業主夫させてもらおうかな、って思ってるんです。
子育てして、お家のことして、お義母さんみたいに継のフォローができたらいいなって。
最初は復職も考えてたんですけど、俺には無理かな。」
「そうか…詩音君はフォローに回るのがとっても得意そうだもんね。
痒いところに手が届くというか、さり気なく必要な物を用意してくれるというか。
気が効くんだよね!
俺もお義母さんも、それで随分と助けられてる。
いつもありがと、詩音君。」
褒められて真っ赤になる。
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