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家事と育児と仕事⑤

俺を誘う継のフェロモンが全身に纏わり付く。 「あっ…」 微かに漏れた吐息に、継が反応した。 「詩音、愛してるよ。」 ダメだ。 抗えない。拒否できない。 継の愛に侵食されていく。 ぶわりと放たれた俺の甘い匂いが、継に甘えるように擦り寄っていく。 バカ。俺のバカ。 何 発情してるんだ。 「いやっ、違う、違うんです! 待って、ダメっ、ちょっ」 言葉の途中で口を塞がれた。 深い深いキスに、次第に力が抜けていってしまう。 口内を蹂躙する舌は、火傷しそうに熱くて、蕩けそう。 「んっ、んむっ、んんっ」 嫌だ、止めて だめ、止めないで 相反する心がせめぎ合う。 俺を抱きしめる継の両手が、背中を…腰を…お尻を…生き物のように這い回っている。 俺の鼻腔はフェロモンでやられて、皮膚は官能的な手つきに、ダイレクトに感じさせられている。 快楽に流されかけている頭でぼんやりと考える。 さっきまで…何の話をしてたんだっけ… 確か…えーっと… 「考えごとか?詩音、余裕だな。」 「ひゃんっ!」 胸の粒を両手で(くじ)られた。 その余韻に震えながら、恨みがましく継を見上げた。 涙の薄い膜が張った瞳に映るのは、ボヤけた愛おしい獣の顔。 「…継の…意地悪…ばかっ。」 「ふふっ。意地悪も馬鹿も上等。 お前の前では、ただの馬鹿な男になるんだよ。 詩音、愛してるよ。」 更に濃くなったフェロモンに、頭がクラクラする。 「俺だって…継に負けないくらいに愛してるんですっ!」 そう宣言すると、継の唇に甘噛みをして吸い付いた。 一瞬、息を飲んだ気配がしたが、またぶわりと甘い匂いに包まれてしまった。

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