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家事と育児と仕事⑥

継より甘く濃いフェロモンが、俺から吹き出している。 「…ちっ…また煽りやがって…」 ぼそりと呟いた継が、反撃してきた。 上唇を舐め、次に下唇を。 言葉とは裏腹に、ひたすらに優しく、優しく唇を愛撫される。 そのもどかしさは、熟した果実のような芳香の吐息となり、更に継を煽っていく。 頭がぼおっとしてきて、どうしてこんなことになっているのか、何を話していたのかさえ、分からなくなっていた。 「…詩音…」 大きな手で前髪を掻き上げられ、擽ったさに首を(すく)めた。 これから始まる愛の営みを思うと、お腹の奥が きゅうっ と疼いて恥ずかしくて堪らない。 でも、継がほしい。 両手をそっと継の頬に差し出そうとしたその途端に 「ふえっ、ふえっ、ふえーーーーーん!!!」 …仁だ…抱っこしてやらなきゃ。 瞬時に消え去った俺のフェロモンに、継がため息をついた。 「詩音…」 切なげに名前を呼ばれるが、俺はそっと継の身体を押し戻すと、急いで散らばった服を身につけて、仁の元へ向かった。 最近では一度寝付いてしまうと朝までぐっすりなのに。 やはり、いくら何も分からない年齢だとは言え、我が子の眠る側でコトに及ぶのは如何なものか…と考えながら、オムツをチェックしてから抱き上げた。 「仁、どうしたの?」 「まぁま、まぁま」 俺の胸にぐりぐりとおデコを擦り付けてくる仁の背中をトントンと叩いてやると、安心したようにまた眠りについた。 まさか…俺のΩの匂いに反応した!? 幼くともこの子はαだ。 …明日お義母さんに聞いてみよう… そっと仁を下ろし布団を掛けて、規則的な寝息を確認してからベッドに戻った。 あ…不機嫌な獣が…

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