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家事と育児と仕事⑧
翌朝、ぐっすり眠る継と仁を残し、そっと部屋を出て洗面を済ませるとキッチンへ向かった。
準備をしていると、お義母さんの元気な声がした。
「詩音君おはよう!ありがとうね!」
「いいえ、おはようございます!」
二人仲良く並んで支度を始めた。
お義母さんは手際よく、サッサとこなしていく。
同時進行で流しも綺麗に片付いていく。
感心して見ていると
「どうしたの?何か気になる?」
お義母さんには、思っていることが色で分かってしまうのだけれど
「あ…やっぱり凄いなって。
俺もいつか、お義母さんみたいにテキパキできるようになるのかな、って。」
ふふふっ、と笑ったお義母さんは
「慣れだよ、慣れ!
詩音君は今でも十分手早いよ。
俺より絶対段取りも手際も良くなる。この先楽しみだね。
さ、そろそろみんなが起きてくるよ。
右京君が、慌てて飛んでくる時間だし。」
そうお義母さんが言った途端に、ドタドタと右京さんが走ってきた。
「お義母さーーん!詩音くーーーん!
ごめーーん!寝坊しちゃったぁ!」
「ははっ。右京君おはよう。
もうできてるから慌てないで。
先にちゃんと食べて。時間はあるから大丈夫だよ。」
「右京さん、おはようございます!
ごゆっくりどうぞ!」
「あぁ、もう、俺、こんなの自分が情けない…ごめんなさい。」
「謝るのなし!しっかり食べて、外で元気に戦っておいで!」
「え?戦う?」
「そう。外に出たら七人の敵がいるんだ。
気合い入れて頑張れってこと。
あ、でも負けるが勝ちってこともあるから、そこら辺は臨機応変にね。
お弁当もできてるよ。さ、早く食べなさい。」
「…ありがとうございます…」
右京さんからは、戸惑いと後悔とやる気満タンの匂いがした。
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